日記、だいたい怪文書

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アニメ「ぼくたちは勉強ができない!」13話についてぼくが抱いた疑問点、それを通して見つけたラブコメの面白さ

2019年12月29日に放映された、アニメ「ぼくたちは勉強ができない!」13話の感想文です。

 

 

!!!注意!!!

この記事には、アニメぼくたちは勉強ができない!」ネタバレと、マンガぼくたちは勉強ができない若干のネタバレを含みます。未視聴の方、および未読の方は、十分注意してこの先へお進みください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、よろしいでしょうか。

先日放映されたアニメ「ぼくたちは勉強ができない!」(以下「ぼく勉」)13話を、自分はリアルタイムで視聴することができませんでした(帰省先で放送されていなかったため)。戻ってきてからTOKYO MXで録画していた13話を視聴しました。

基本的には良い最終回でしたが、疑問に思う点もいくつかあったので、少し寝かせておいて、2週間経った今、もう一度観ました。

僕の感じた違和感が一体なんだったのかを冷静になってから整理しました。それを目に見える形で残そうと思い、僕は今、パソコンに向かっています。

なお、僕が週刊ジャンプでぼく勉を追い始めたのは2019年の32号からなので、学園祭編の原作があったかどうかについてすらよく知りません。ごめんなさい。近いうちにコミックス買います。

登場人物紹介

人物名がわからないとこの後の文章が本当に怪文書になってしまうので、一応書いておきます。

唯我成幸(ゆいが なりゆき)

古橋と緒方の教育係として勉強を教える。武元にも勉強を教える。

古橋文乃(ふるはし ふみの)

文系教科が得意。天文学をやるために理系の学部に進学したいが、理系教科はからきし。

緒方理珠(おがた りず)

理系学問の天才。空気が読めない孤高の天才。心理学を学びたいが、文系教科が全然できない。

武元うるか(たけもと うるか)

水泳が得意。成幸の幼馴染。成幸には英語を教えてもらっている。

小美浪あすみ(こみなみ あすみ)

成幸たちの先輩。医学部を目指して浪人中。

桐須真冬(きりす まふゆ)

成幸たちの先生。成幸の前任者として、古橋と緒方の教育係をしていた。 

OPパート

OP前は、12話の引きのシーンの続きです。11話から、連続で学園祭についての物語を描いていました。その中で、古橋のクラスの面々は、古橋と成幸をくっつけようと色々策をめぐらせるわけです。その伏線回収がここで行われました。

13話は、この後も丁寧に11話から撒いてきた学園祭編の伏線を拾っていきます。

 

Aパート

古橋は、キグルミに入っていたのは小美浪先輩だと思っていたようで...そうではなかったとわかった古橋は、キグルミの中身は一体誰だったのか、悶々とします。そして一方、成幸の方も、古橋はキグルミの中身が自分だとわかっていたのか、悶々とします。お互いにハッピーエンドになるはずの事実がそこにあるのに、すれ違う二人がどうにももどかしいです。これぞラブコメ

ここから一気に伏線を拾い上げます。うどん、桐須先生のキグルミ、など、11話からの伏線が拾われて、「まとめにきてるな」と。緒方と一本のうどんを両側から食べちゃうシーンなどは、ありがちなラブコメ展開ですが、良かったですね。そこに良さがあるからありがちシーンは使われるんです。

 

Bパート

武元とのイチャイチャ成分をここで補充していました。ちなみに僕はヒロインたちの中では武元が好みです。

古橋と成幸のすれ違いもBパートで再び描かれます。ありがちなパターンだけどこれがいいんですね。

緒方は孤高の天才的なところがあったのですが、協力して学園祭を乗り切って絆を強く感じます。その成長がよく描かれていますね。(全編通して成長は描かれているんですが、そのまとめのように感じました)

そして後夜祭の花火が打ち上げられます。ここから、自分が感じた疑問点に深く関わる部分に差し掛かるので、詳しく描写します、すみません。

「後夜祭一発目の花火が打ち上がった時、触れていた男女は必ず結ばれる」というジンクスが、一ノ瀬学園(成幸たちが通っている高校です)の学園祭にはあります。そこで、ヒロインたちを成幸とくっつけようとする友人たちが、花火が上がる瞬間に成幸に向けてヒロインの背中を押す!なんだかんだあって5人と触れる成幸!花火不発!これはラブコメっぽくてほっこりしました。その後、再び一発目の花火が上がるのですが、そこで成幸の手を取る影が!花火の逆光で見えない!あれは一体誰だったんだ!!その子に触れた自分の手を見つめる成幸!!!*1

 

ED

入り方が素晴らしいですね。イントロをBパートにかぶせてED曲を流す*2の、なんでこんなに感動的なんでしょうか、誰か教えてください。

これまでのシーンのハイライトが流れる演出も、「ああ、ここに至るまで13話、観てきたんだなあ、僕。」と感慨深い気持ちになることができて素敵ですね。

 

Cパート

EDの後にCパートが入ります。成幸の面談です。どうして大学に進みたいのか、自分の気持ちがわからなかった成幸が、その答えを出す、重要なシーンです。これまで、主としてヒロインたちの成長に焦点が当たっていたぼく勉でしたが、ここで成幸の成長もしっかり描くんですね。面談の指導をしていた桐須先生が言います。「合格。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで終わっていたらただただ感動の幕切れでした。

 

 

あおーげばーとうーとしーわがーしのーおんー

 

流れ始めたんですね。「仰げば尊し」。古橋がなんかスマホで大学入試の合格照会してるし、合格してるし。小美浪先輩も合格発表見に行ってるし。合格してるし。緒方も合格してるし。関城も。*3成幸も合格しとるやんけ!!!!!みんな卒業証書を持っているカットが入って、卒業したね。おめでとう。

ここで若干モヤモヤし始めました。受験直前とかセンター試験とか、もっと描くポイントはたくさんあっただろうに、そこは飛ばされちゃったか...3期はないのか...円盤買ってなくてごめんなさい...とかなんとか考えてました。

そしてすぐに空港で武元を見送るシーンに移りました。*4遅れて到着した成幸、転ぶ。それを起こし、手を差し伸べる武元。

 

ん...?

 

構図が花火の時と全く一緒だな!!!!

 

そして飛行機は飛び立ち、機内で手を見つめる武元と、空港で同じく手を見つめる成幸...

 

これ完全に結ばれるのこの二人だな!!!!

 

正直ビビり散らしました。こんなことがあっていいのか。

ここで一応補足しておくと、この結末が嫌いとかではないです。武元を応援しているところが自分の心には少なからずありましたから。問題はそのテンポです。

これまで、ぼく勉のアニメはキャラの掘り下げに複数話続きの物語を用意したりして、けっこう丁寧に成長を描いてきたんですね(古橋と星の話とか、親子の関係とか)。そのぼく勉が、まさかたった3分30秒*5大学合格と卒業と恋の行方を全部描くとは思わんでしょう。時間にしてカップ麺だいたい1個分くらいで。

描写に時間をかけたからといって、その内容が深くなるとは限りませんが、だからといってこんなに短く済ませていいのか。大学合格というのはこの物語において重要な目標であった故に、かなりモヤっとしました

 

まとめ

自分は原作と違う結末に関して、議論をしようとは思いません。マンガにはマンガの、アニメにはアニメの良さがあるからです。

今回疑問に思ったのは、アニメとしてこの作品を完結させる必要があったのか?という点です。いざ市長を終えてみて、僕は、ヒロインの誰と結ばれるのかがわからない、その可能性に、ラブコメとしての面白さを見出していたのだと気づきました。自分のエゴに過ぎませんが、最後の3分30秒は、完全に蛇足だったのではないかと思っています。

長々と書いてしまいましたが、ぼくたちは勉強ができないは、自分の弱さと向き合い、克服するという軸を据えながらも、主人公とヒロインたちの距離感の変化を楽しむことのできる素敵な作品です。ぜひ、原作のマンガもアニメも、楽しんでみてください。

 

*1:このシーンの手が、エヴァンゲリオンのシンジくんのワンシーン「最低だ、俺って...」と被って見えた人、自分以外にいますかね...?

*2:僕が観た中だと、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のEDも印象的でした。

*3:関城紗和子(せきじょうさわこ)緒方のことがだいすきな子。

*4:武元は水泳で海外留学することになっていた

*5:仰げば尊しが流れ始めてから「おしまい」の文字が出るまでの時間です。計りました。