日記、だいたい怪文書

日頃思うことを書いています。どうしようもない

気づけば桜は散っていた。

 久しぶりに外に出ると、そこには一面の桜があった。葉桜が

初夏

 長袖のパーカーを暖かいと感じる季節はとうに過ぎ、夏、生命の季節の足音が聞こえてくる。5月になると春、それを通り越して夏の兆しを感じる。緑の匂い、蒸した匂い、風の匂い。緑。青。

 の木がある。家の近くに。その桜がわっさりと葉を太陽に広げていた。この前見たときは、まだ桜の花が散る前だったような気がするのに、あっという間に色が変わっていた。葉桜。

篭城

 していたわけではない。床は畳ではないし、壁に里芋の茎を使っているわけでもないから、食べ物を買いに行かなければならない。時々外に出ることはあるが、桜の変化には気づかなかった。

たまには上を向いて

 歩くのも悪くないだろう。孤独を噛み締めて涙を堪えていなくたって、上を向いてもいいじゃないか。空は青いし雲は高い。そんな「自然」の情景を、久しく忘れていたことに気づかされた葉桜だった。